皮膚は大きく分けると、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層から成り立っていいます。
このうちの最外層が「表皮」であり、外界からの刺激と水分の喪失を防ぐ働き(バリア機能)があります。
また、美肌の決め手となるターンオーバー(新陳代謝)が行われているのも、この表皮でしたね。
今回は、そんな「表皮」の構造について、さらに詳しくみていきたいと思います。
表皮は4層構造になっている
表皮の厚さは、およそ0.1~0.3mm。
実は、この薄さの中で、さらに「角質層(かくしつそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」という4層に分かれています。
では、それぞれの層の特徴を1つずつみていきましょう。
基底層(きていそう)
基底層は、表皮の最下層にあり、楕円形をした1列の基底細胞と色素形成細胞(メラノサイト)から成り立っています。
隣接する基底細胞はデスモソームと呼ばれる細胞接着成分で繋がっており、基底層の下にある真皮とはヘミデスモソームで接着されています。
この層は、新しい表皮細胞を作り出す母地であり、どんな障害を受けてもこの層が壊されない限り、皮膚は再生すると言われています。
有棘層(ゆうきょくそう)
有棘層は基底層の上層にあり、ほぼ円形の細胞から成り立っています。(上部にいくに従って平らになる。)
細胞の外側にはたくさんの突起があり、細胞同士は橋をかけたように連なって見えます。
この橋を細胞間橋といい、橋の下には上皮リンパ液が流れています。
この上皮リンパ液は、真皮のリンパに繋がり、真皮にある毛細血管へと繋がっていきます。
ちなみに、この有棘層と基底層をあわせてマルピギー層といい、夜間に細胞分裂が盛んに行われ、昼間や運動によって抑制されます。
顆粒層(かりゅうそう)
顆粒層は、偏平な形をした1~2層の細胞からなっています。
細胞質内には、光線を強く屈曲する半高度のケラトヒアリン顆粒と層板顆粒という2つの物質を含んでいます。
層板顆粒は、オドランド小体、MCG、ケラチノソーム、セメントソームなどとも呼ばれます。
ちなみに、全身の中でこの顆粒層が最も厚いのは、手の平と足の裏だと言われています。
角質層(かくしつそう)
表皮の最外層を形成する角質層は、扁平な角質細胞が10~20層重なった薄い板状の層からなっています。
この層の細胞には通常「核」がなく、角質細胞内は線維性たんぱく質であるケラチン繊維(角質線維)と線維間物質で充満しています。
また、細胞と細胞の間には、細胞間脂質という肌のバリア機能と水分保持にかかわる、とても重要な脂質成分があります。
まとめ
いかがでしたか?
この記事では、「表皮の4層構造」をご説明させていただきました。
ぜひ、お役立ていただければ幸いです。
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